5. 逢いに行くよ 今度は私から |
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中間テストが終わった。クラスの宿題はまだまだ大有り。今週 もう半分が過ぎた。そして、来週はゴールデンウイーク。少し、ゆっくり出来るといいが。。。 あたしは今 真砂子と一緒、カフェに入ってる。簡潔に言うと彼女に呼び出されてしまったの。 「まぁ、顔色、もっと悪くなってますわ 麻衣。」 「。。。。。。」 悲しいけど、あたし 何も言い返せない。だって、真砂子の言うとおり 顔色が悪い。そして 体重 五キロも減ってる。 あの仕事馬鹿が去ってから 五週間。そして、あたしの眠れない夜、まだまだ続いてるの。 信じられる??あたし、全然信じらんない。絶対ありえないじゃん!情けないけど、前は 何処でも何時でも眠れたのに 今はその逆。ほとんど眠れない。いつもあのワーカホリックのことを思い出して 彼が残した言葉を考えているの。言葉の意味。彼の行動に秘められた 彼が伝えたかったこと。 。。。。。。それとも、もしかして 何の意味もなく 彼が その行動を取った。。。? うあああ、もしそうだったら 最悪。。。 あたし ちょっと顔を顰めるが 今はそれを考えるときではない。だって、久しぶり 真砂子に会ってるから ナルのことは邪魔。もう、本当に邪魔だ! ナルが帰国してから 真砂子と会うのは これが二回目。前回は。。。たしか、二週間が経った頃。あの時、あたしは空港で起こったこと すべてを 真砂子に話した。だって、前は恋のライバルだったのに 今は全然違う。 真砂子があたしを応援してくれて 押して 押して、もう 本当に押し捲ってくれたから あたし あの時 やっと告白を出来たの。真砂子が押してくれなかったら あたしは多分 一生何も言わなかったと思う。だから真砂子に すべてを話すって約束した。 「麻衣は 今も眠れないのですか?ナルがイギリスに還ってから五週間も経ちますわ。」 あたし ちょっと言葉に詰まる。 「う。。。知ってる。でも、まだあの時の事 全然忘れないの。先週の中間テスト、かなりきつかった。仕事のほうもちょっとやばくなってるぅ。あたし、どうしたらいいと思う、真砂子ぉ。」 「まぁ、なんて情けない声を出してるの、麻衣?」 真砂子の奴。。。涼しい顔してる。他人事だと思ってるんでしょう。 。。。。。。他人事だけど。 。。。でも、親友でしょう。。。?あんなに 押してくれたのに。。。 「真砂子って 冷たい。。。」 真砂子はあたしの顔を見て くすくすと小さく笑い出す。 「もう諦めては如何?これ以上、無理だと思いますわ。」 あたし、ちょっとムッとする。だって、まだ諦めたくない。あの朴念仁に負けたくない。でも。。。 「だって。。。」 「わたくし 安原さんにお願いしても宜しゅうございますわ、麻衣。そうしたら どうなさるか分かりませんですよ。」 !何って怖いことを言い出すの、真砂子は?! 「うう、この事 安原さんにだけ 知られたくない。だって、絶対面白がるし 何を仕出かすか 分かんない。」 真砂子の笑みは深くなる。 「あら、それは残念ですね、麻衣。」 「え?」 「多分、松崎さんに会った頃から知られてますわ。」 それを聞いて あたしはぎょっとした。 「綾子に。。。?う、嘘!だって、あれは一週間目だよ?」 確かに、空港でナルを見送ってから 綾子と会った。でも、一回だけ。ぼーさんにも会ってるが、それは三週間目。最近、皆忙しかったから あんまり会ってない。 「ええ、でも松崎さん、滝川さん、安原さんと ブラウンさんも 時々一緒 飲みに行ってますね。」 え?ジョンにも。。。?ちょっと!あたし、先週ジョンと会ったよ!教会に行って 少し子供と遊んでた。。。まさか、それは誰かが仕掛けた罠だったの。。。? 「。。。。。。綾子の裏切り者ぉ。」 あたしは 低い声でそう呟く。 「ですから、もう諦めてナルに会いに行ったらどうですか?」 「だって、来週真砂子と綾子と一緒に ショッピングとか映画とか色々したいんだもん。」 真砂子はちょっと首を傾げて あたしを見る。 「そう?わたくし 死体と出かけたくありませんわ。」 し、死体?! 「。。。真砂子、その言い方 。。。ちょっと酷くない?」 「本当のことですわ。」 真砂子は即刻言い返す。 「。。。。。。」 「松崎さんも同意見してましたわ。」 「え?綾子も?」 ありゃ。。。 真砂子と綾子、あたしのこと そんな風に話してたのは 全然知らなかった。 「ええ。」 真砂子は 何かを探るように あたしの顔を見る。 「。。。。。。麻衣はナルに会いたくありませんですの?」 え?それは。。。 「う、別にそう言う訳じゃないけど。。。」 真砂子は何も言わず ただ続きを待つ。 「。。。だって、あたし、ナルに負けたくないもん。ほとんど 彼に負けてるし。」 本当言うと ナルに会いたいとか そんなことを ほとんど考えてなかった。いつも考えてたのは 空港で彼が取った行動。どっちの答えが待ってること。そして、彼の首を絞めたい気持ち。最後のは 一番考えていること。確かに 暴力は良くないと思う。でも。でも、でも。。。それしか考えられないんだもん。他にどうすれば良いの? 「あら、麻衣がナルに負けてしまうのは いつもの事ですわ。何時までぐずぐずするつもり?麻衣らしくありませんわ。」 そ、いつまでも 何もしないのは あたしらしくない。先に突っ走るのは いつものあたし。 この五週間,それは出来なかった。だって、外国に行くこと ちょっと時間がかかる。大学と仕事を そう簡単に休めない。でも、来週はゴールデンウイーク。つまりちょっと長い休み。外国に行くにはちょっと短いけど 同時に十分だ。ただ、あたしには先約がある。それは もちろん 真砂子と綾子との約束。だからナルの首を絞めに行くのはアウト。そう 思ってたが。。。 真砂子は柔らかく笑う。 「では、行ってらっしゃいましな。松崎さんとわたくしの約束は無理のようですもの。わたくし達 死体と出かける趣味 全然ありません。ですから、死んだ女に興味を持つ 今、ほとんど紅茶を飲んでない学者馬鹿に会いに行ったらどうですか?麻衣。 「え?紅茶を。。。飲んでないの?あのナルが。。。?」 「ええ。安原さん。。。元は森さんだと思いますが。。。彼の情報によれば ナルがイギリスに戻った直後 紅茶を飲まなくなりました。今は コーヒーを飲んでると仰っていましたわ。」 「う、嘘!あのナルが紅茶を飲まないなんて、世の終り?気付かないうちに 地球が地獄に落ちたとか?全然信じらない!」 真砂子はくすくすと笑い出す。 「そう思いますでしょう?ナルは絶対 何も言わないと思いますけど 空港で起こったことは 彼にも 影響を与えた思いますわ。もし、麻衣は何も言わなかったら 多分ナルはイギリスに帰って 完全に麻衣のことを諦めて ちゃんと普通の生活に戻ったはず。けれど、そうではなく ナルは今 全然紅茶を飲んでません。多分、紅茶を飲みたくても 全然口に合わない。誰かさんが淹れてくれない限り。」 真砂子が言ってることは本当なら。。。 この五週間 ナルもちょっとあたしのことを考えて 悩んでたかな。。。? その疑問、顔に出たかも知らない。だって、真砂子が答えてくれるから。 「そうですね。。。ま、何処かのお馬鹿さんと違って彼はちゃんと生活と仕事をしてます。ただ、彼がコーヒーを飲んでることに気付く そのときの表情は見ものだとお聞きしましたわ。」 そっか。。。あのナルもちょっとあたしのことを悩んでたのか。そして、そのことは妙なところに露になった。 あたし 少し笑い出す。だって、全然彼らしくない。ナルは紅茶を飲めなくなったことに気付いた時。。。多分彼自身はそれを認めたくなかったでしょう。それでも 彼は無理やり 普通にしようとしなかった。今は 諦めて紅茶を飲んでない。 だったら、あたしもあたしに負けて彼に会いに行ってもいいかな〜? しかし、先約。。。 それもあたしの顔に出たかな。。。だって、真砂子の奴。。。 「あら、わたくしと松崎さんのことはいいですよ、麻衣。言ったとおり、わたくし達には死体と出かける趣味全然ない。ですから ナルのところに行ってらっしゃいな。」 真砂子の笑みが深くなる。 「そして、前回麻衣と会った時、麻衣が一番やりたがっていたことをやってください。すっきりして こちらに戻ってから わたくしと松崎さんとの約束 その時 果たせばいいわ。 。。。。。。ナルに会って その時のすべてを話してくださいね。」 あたし また笑い出す。ああ、やっぱり真砂子って本当にあたしの親友。いつも、あたしを応援してくれるし 今みたいに あたしが 立ち止まってる時にも 押してくれる。前はライバルだったのに。 あたし やっと頷く。 「うん、分かった。じゃ、あたし 行くよ。来週はゴールデンウイークだし、出来るだけ早く行って、少しでも早くこっちに戻って真砂子と綾子と遊ぶ。」 そして、あたし とびっきりな笑顔で真砂子を見て少し舌を出す。 「だって、ナルの首を絞めるのはそんなに時間がかからないでしょう?」 それを聞いた真砂子はちょっと呆れた顔をしたが 彼女も 笑い出す。 あたし、決めた。 本当にイギリスに行くよ。 だから、覚悟してね ナル。 |
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